自然派イギリス菓子のダダダックは、ハリーポッターに登場するイギリスの伝統的なお菓子やお料理をご紹介しています
Teatime

夏真っ盛りの7月がやって来ました!
ハリーポッターと不死鳥の騎士団の映画が公開間近になり、私の頭の中は、いつもよりイギリスで一杯になってしまってます。

先月ミスター・パートナーというイギリス通が読むおしゃれな雑誌に、当店のお菓子が紹介されました。誌面には、「テムズ川に沿って歩いてみよう!」という結構ハードな特集や、肥満国イギリスのダイエット戦争という、イギリス人が気を悪くするようなコーナーもあり、イギリスマニア歴20年の私は、大いに楽しませて頂きました。
なかでも、テムズ川の全長288kmもあることに改めて驚かされました。^^;

(雑誌くらい静かに読めないのか?)という夫の冷ややかな視線をよそに、私はイギリスに留学していた頃の記憶にタイムスリップしてしまいました。
そこで、今回のコラムでは、留学時代に隣りのフラットに住んでいた”けんちゃん”という不思議な少年についてお話ししたいと思います。

Episodo.25 愛しのけんちゃんとヴィヴィアン・ウエストウッド

今からかれこれ15年ほど前の事ですが、私はロンドンのケンジントン地区に日本人の女の子と共に小さなフラットを借りて住んでいました。その時たまたまお隣りに引っ越してきたのが、日本人の男の子、”しんちゃん”と”けんちゃん”でした。

しんちゃんは恐らく東京都出身で、ドレッドヘアの色白でとってもクール、一方けんちゃんは、とっても小柄で愛嬌のある顔立ち。顔を見ているだけで、嬉しくなるような陽気な男の子、その上魔女と同じ滋賀県出身という事で、すぐに仲良くなりました。
お互い学校へ行ったり、アルバイトをしたりで忙しかったのですが、別のフラットに住んでいた日本人の友人も遊びに来たりして、短い夏の間でしたが、とても楽しかったという記憶があります。

けんちゃんは、東京の服飾専門学校を卒業後、東京でアパレル関係の仕事をしていました。イギリスを代表するファッションデザイナー、『ヴィヴィアン・ウエストウッド』の大ファンで、彼女のファッションを本場イギリスで勉強するために、お金を貯めてロンドンにやって来ました。
けんちゃんの着ている服は、ほとんどが自身で手作りしたという、なんとも芸術的な服ばかり!今ではそんなに珍しくないですが、当時はギョッとするようなパッチワークのTシャツやパンツ、ある時は、ヴィヴィアンの高価でとってもおしゃれなスーツなんかで決めていました。
ヴィヴィアンのファッションショーを本場イギリスで観るのが彼の長年の夢で、チケットを持っていないのに、入り口でうまくごまかして、ファッションショーを最後まで満喫したというあっぱれな彼に、みんな唖然としていました。よく捕まらなかったものです。

この不思議な少年、けんちゃんですが、友人が突然帰国したり、私も引っ越ししたりで、突如連絡が取れなくなってしまいました。大げさですが、消息不明ってヤツです。
郷里が同じですが、実家の住所を交換したわけでもなく、みんな必死で彼の所在を突き止めようとしましたが結局無駄でした。

私が日本に帰国してから8年程たった頃、突然ロンドンにいる友人からメールが届きました。そこにはびっくりする情報が!なんとメールには、けんちゃんに関する大きな雑誌の記事が添付されていました!
彼は、ファッションデザイナーとして成功し、ロスに住んでいるとのこと!相変わらず個性的なお顔で、相変わらずファッショナブル。カメラの前でポーズをとるけんちゃんにまたまた一杯食わされました。
最近では、伊勢谷監督の映画に出演したりしているそうで、つかみどころの無いところは全く変わっていません。いつか彼に再会できたらいいなぁ・・・

次回のコラムでは、けんちゃんがあこがれ続けた『ヴィヴィアン・ウエストウッド』についてお話したいと思います。お楽しみに。

ヴィヴィアン・ウエストウッド
けんちゃんのあこがれ、ヴィヴィアン・ウエストウッド